地理的表示保護制度(GI)が始まりました

2015年06月05日 よく分かる解説 スタッフブログ 改正情報 最新情報

みなさま、こんにちは。
横浜 の特許事務所 IPWIN の弁理士、保屋野でございます。

さて、6月1日より、「地理的表示保護制度(Geographical Indication 通称:GI)」が始まりました。
特定農林水産物等の名称の保護に関する法律(通称:地理的表示法)が、
平成27年6月1日付で施行されたのです。

この制度は、長年培われた特別の生産方法や気候・風土・土壌などの生産地の特性により、
高い品質と評価を獲得するに至った産品の名称(地理的表示)を知的財産として保護する制度です。
これにより、生産業者の利益の保護を図ると同時に、農林水産業や関連産業の発展、
ひいては需要者の利益を図ることができます。

具体的には、
「地名+産品名」からなる表示が保護の対象で、
その生産地における伝統製法等の“人的特性”と
気候等の“自然的特性”とが、
品質や社会的評価等の“産品の特性”に結び付いていることが条件となります。

イメージ図は下記の通り(架空の事例です)

地理的表示保護制度

(農林水産省食糧産業局新事業創出課作成の「地理的表示法について」より)

農林水産大臣の審査の上、基準を満たすと判断されたものは、
地理的表示と下記に示すGIマークの使用が認められます。
地理的表示マーク

その効果として、

★地域ブランドの保護・活用により農産漁村・地域の活性化
⇒地域ブランド産品として差別化を図ることができ、価格に反映できる

★伝統的な食文化の継承
⇒不正な使用に対し、“行政が取締りを行う”ことで、訴訟の負担なく、自己のブランド保護が可能になる

★消費者利益の保護
品質を守るもののみが市場に流通する

★農林水産物・食品の輸出促進
⇒日本の真正な特産品として海外展開に寄与する

などが挙げられます。
特に2番目は、自ら権利行使しなければならない商標登録制度とは異なり、効果が大いに期待できます。

海外(特にEU)では、この「地理的表示」の保護制度は長年運用されていて、
いわゆる「カマンベールチーズ」で日本でも有名な「カマンベール・ドゥ・ノルマンディー(フランス)」や、
「パルマハム」の「プロシュート・ディ・パルマ(イタリア)」などが登録されています。

日本もようやく制度導入に至り、
日本の農林水産ブランドが、世界のブランドになっていく助けになればいいなと思います。

それにしても、今年は知財制度の大改革の一年ですね!
実務者の立場からすると、覚えることが多く大変ではありますが、こうした法制度をうまく活用して、
生産者のさらなる利益向上と、消費者の安心、関連産業の発展、
そして日本経済の発展に貢献したいものです。


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