選挙と商標の無断使用について

2016年07月11日 よく分かる解説 スタッフブログ 判例(審判例)情報 最新情報

みなさま、こんにちは。
横浜 の特許事務所 IPWIN の弁理士、保屋野でございます。
参議院選挙も終わりましたね。
18歳から選挙が可能になったことも話題となり、
投票率も3年前より上回ったそうです。
SNS等での活発な選挙活動の様子は、
私もとても楽しんでいましたが、
公職選挙法的にどうなの?と思うケースもやや見受けられました(汗)
さて、選挙期間中にこんな話題が。
民進党の「おだち源幸」氏の応援演説に、若手俳優の西川俊介さんが駆けつけたところ、
おだち候補がTwitterで、
「『ニンニンジャー』や『GTO』などで活躍されている俳優・西川俊介さんが応援に駆け付けてくれました!」
「アカニンジャー・伊賀崎天晴さんがJR茨木駅等に来てくれます!」
等とつぶやいたのです。
「手裏剣戦隊ニンニンジャー」はヒーローもののTVドラマのタイトルで、
東映株式会社の登録商標ですし、
役名である「アカニンジャー」や「伊賀崎天晴」は、
登録こそされていないものの、
ニンニンジャーのリーダーとして親しまれている名前です。
それを無断で使用してしまったわけです。
「戦隊ヒーローが特定の候補の選挙を応援している」
と、誤認する人はそれほどいないでしょうが、
個人の信条にかかわる政治で、勝手に名前を使用することで、
「ヒーローを汚された!」と不快に思う人がいてもおかしくはないですね。
案の定、Twitterを見たファンから東映にクレームが届いて、
選挙応援なんて事情を知らない東映が困惑するというひと騒動になりました。
法的にみるとどうでしょう?
登録商標を、選挙の演説で利用することは、
41類の「演説会の開催」での使用に該当すると考えられますが、
今回のTwitterのつぶやき程度では「使用」とまで言えるか、微妙なところです。
あまり「商標法」では問題にならないのでは?と思います。
しかし、「手裏剣戦隊ニンニンジャー」はよく知られた名称ですし、
候補者と何らか関係があると混同させてしまったら、「不正競争防止法」違反とされるかもしれません。
番組HPのURLも載せてしまっているし、問題があると指摘されても仕方ないですね。
野党の劣勢が伝えられていた選挙戦の後半で、
人気戦隊ヒーローのブランドイメージに“ただ乗り”し、
少しでも良いイメージを訴えたい気持ち
理解できなくもないですが、
やはり配慮が必要でしたね。
ネットユーザーは時に警察以上の“捜査能力”を発揮しますので(苦笑)、
権利等の取扱いには十分注意しましょう。

<<前のページに戻る

このページのTOPへ