どうしても欲しい名前は「買う」という選択肢

2016年06月17日 よく分かる解説 スタッフブログ 最新情報

みなさま、こんにちは。
横浜 の特許事務所 IPWIN の弁理士、保屋野でございます。

 

梅雨の季節、いかがお過ごしでしょうか。
梅の雨と書くのは、梅の実が熟す頃に振る雨だから、
という説があります。
私なんかは「梅の飴」を思い浮かべてしまいますが…

カンロ

さて、梅のど飴を開発している「カンロ」のお話です。
1912年に当時19歳だった宮本政一氏が創業した「宮本製菓」は、
戦後の「原料高」と「過当競争」による、利益率悪化の苦境の中で
「カンロ飴」を開発しました。

 

「日本人には日本人だけが好む味のふるさとがある」
という考えから、醤油を隠し味に使った飴が生まれたのです。
大半の企業が差別化の難しさに直面していた中で、
従来の発想を転換する差別化商品でした。

 

その飴に「カンロ」という秀逸なネーミングが付されました。
天から降る甘い露、という意味の「甘露」から来ています。
カタカナで語呂が良く親しみやすい名前がウケたのです。

 

ところが、商標の壁にぶつかりました。
ある大分の和菓子の老舗が、すでに「甘露柚子練羊羹」という商標を登録していたのです。
諦めきれずに、譲渡の希望を申し入れるも相手にされず。
二度目に断られた後、先方の子息の勤め先である原料問屋の社長の協力を得て、
ようやく「甘露」の商標を譲り受けることができました。

 

当時の値段で50万円はそう安くない金額ですが、
大金をはたいてでも、多くの労力を割いてでも、
欲しかった名前には、何か確信のようなものがあったのでしょうね。

 

その後、「カンロ飴」の知名度向上に伴い、
社名が「宮本製菓」から「カンロ」に変わり、現在に至ります。
「カンロ」の名前は天から降ってきた贈り物だったのでしょうか。

 

名前への確信は、大ヒットを生み出し、
しまいには会社名までも変えてしまうのですね。


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