商標登録をしない3つのリスク

2015年07月22日 よく分かる解説 スタッフブログ 最新情報

みなさま、こんにちは。
横浜 の特許事務所 IPWIN の弁理士、保屋野でございます。

前回の記事の続きです。
商標は商品・サービス等から得られる“価値への入口”と定義しました。
では、商標を登録しないとどうなるでしょうか?
3つのリスクが考えられます。

1.他社が同じ又は似ている商標を使ってしまう可能性があること

その場合、顧客が「同じ(似ている)商標だけど、この間のと同じor関連ある商品・サービスなのかな?」
誤解して購入してしまうおそれがあるのです。
それにより、本来売れるはずだった商品・サービスを売り逃すどころか、
もしその品質が悪ければ(価値を感じなければ)、
「なんだか質が落ちたな。もう2度と買わない」「Twitterでつぶやいてやろう」のように、
信用の低下評判の悪化という“とばっちり”を受ける可能性があります。

リスク1

2.他社に先に商標出願・登録されてしまう可能性があること

商標制度は「先願主義」といって、先に出願したもの勝ちが原則です。
先に考えた者勝ち、先に使用した者勝ちではありません。
したがって、先に登録した他社から、
「その商標はうちの商標と同じ(似ている)から、使わないでくれますか?」
「今後の使用については使用料をお支払いただきますよ?」
「裁判を起こして、損害賠償を請求しますよ?」
といった警告が来て、泣く泣く商標を変更する必要に迫られる可能性があります。
商標を変更するということは、例えばホームページ,名刺,パンフレット,封筒,看板,制服etc.を変更するということです。
一方、裁判沙汰になれば労力損失は計り知れず、また信用に響くこともあります。
顧客としても、商標が変わってしまうと、「品質も変わってしまう気がする」ものです。

リスク2

3.一般用語化してしまう可能性があること

商品名やサービス名が広く知られ、一般用語のように使われることは、ある意味喜ばしいことでもあるのですが、
逆に言えば「誰でも合法的に使える」のであり、自社の商品・サービスが、同業他社と差別化されていない同じような商品・サービスのうちの一つとして扱われてしまいます。
また、一般用語化(普通名称化)すると、もはや商標登録することができません
せっかく自らの努力で評判を築き上げたにもかかわらず、そのコストを回収することなく価格競争に陥れば、
事業の運営が苦しいものになる可能性があります。

リスク3

そこで、上記のデメリットを避けるべく商標を登録し、権利化して守ることで、
他社が(無断あるいは偶然にかかわらず、)自社と同じ商標や似ている商標を使用する行為を防止する必要があるのです。
既に使用されている場合は、使用を止めさせ、あるいは使用料を払わせ
場合によっては損害賠償請求することもできます。

登録により守られた“価値への入口”(=商標)があれば、
顧客は迷うことなく、その商標を手掛かりに“自社の商品・サービス”にアクセスすることができます。
そして期待通り(期待以上)の価値を提供できればリピートや口コミが増加していくので、
商標をてこ(レバレッジ)にして、少ない営業努力で売上を上げることができる、というわけです。

商標はいわば、「次の売上」をつくる重要なマーケティングツールであるといえますね。


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